· 

9/13 浜川の浸水を防ごう②

9/13 浜川の浸水を防ごう②

 

中島学区、大里東学区の自治会長及び防災関係者、合同で浜川の浸水対策について、状況報告と今後の対策を確認するため会議を開きました。

県からは本庁河川企画課、静岡土木事務所、市からは河川課、下水道計画課にご参加いただき、今年3月に提出した地元からの要望事項について進捗の報告をいただきました。

 

浜川は、安倍川左岸の北部、賎機山区域から概ね静岡駅南口を南下する石田街道が囲むエリアを排水区域とする二級河川。下流は中島地内から西島地内にかけて、極めて緩やかに海岸線に沿って南北に流れて河口に注ぐ、流下能力がそれほど高くない河川です。

この地形が、海岸に高潮が発生すれば、海水を河川沿いが逆流させ、住宅地や山間部の降雨量とも重なると、浜川に注ぐ雨水幹線流域に住宅浸水をもたらしてきました。

 

平成29年、令和元年の台風で、それぞれ甚大な被害が発生したことが、私を含め地元が改めて対策に乗り出したきっかけとなり、以来、多様な対策を実行しながら今日を迎えています。

特に令和元年の台風では、北部山間地に総雨量400mmの降雨が長雨として続き、そこに浜川上昇海抜4mを超える高潮が発生したために、特段の被害に見舞われました。

台風翌日には、自治会長の案内で私も地元を回り、ほぼ全ての被害住宅、会社、田畑を訪ね、被害状況の聞き取りなどを行いました。浸水は、中島町内、西島町内、下島町内で発生していました。

 

以来進めてきた主な対応は以下の通り。

① 崩落した感染岸壁の修繕と強化

② 特定箇所の雨水幹線の流量を減らすため宅地内雨水路(側溝や地下下水管)の方向変更

③ 周辺学校のグランドの貯留地化(現在進行中)

その他、これら実現した事項に加えて、

① 広域な排水区域の見直し

② 浜川からの直接放水路の建設可能性検討

③ 河口部の排水力強化のための離岸堤設置場所の見直し

などを要望してきました。

 

昨日の会合では、河口部の排水力強化のための離岸堤設置場所の変更と高潮対策として浜川水門の一部閉鎖措置の実施について、県・市それぞれから丁寧に回答をいただきました。会の冒頭でご挨拶させていただいた際にも申し上げたものの、現在の降雨量、広大な排水区域、浜川の勾配や流水方向、そして河川に発生する高潮という様々な要因が重なれば、実際のところ令和元年台風で発生した被害を防ぎきることは、流下能力を高めて排水するという基本的な対応では不可能だという結論が先にあって、その上で、生命と財産を守る方法を考えるというのが、昨日の会議の本旨でした。

 

進行を中島自治会連合会の石上会長にお願いし、最悪の事態に通用する対策を用意できない状況に関わらず、会場は終始穏やかで建設的かつ前向きな発言が続きました。本当に感謝です。

そして昨日の会議では、

① 浸水しやすい宅地(敷地)への雨水流入を抑止するための各戸構造変更への助成制度の創設

② 雨水幹線流域の車両避難場所の確保

③ 中田雨水幹線の流量を減らすため、幹線に接続する支流や配管の見直し

④ 小学校に限らず、再度宅地内雨水の貯留施設の可能性検討

⑤ 水門閉鎖の上流住民への説明と合意形成

⑥ 市が進める浜川右岸海岸に残された消波ブロックの撤去工事の完了

を引き続き調査、実施をお願いすることが確認されました。

 

特に最後の⑥は、市河川課の努力によって、これまでの撤去作業で、浜川河口部で海岸に接するエリアでは砂洲の低下が見られ、平時なら流量の安定が見られるようになりました。高潮が発生せず、上流部の降雨と洪水であれば、浜川の流量拡大には期待が持てます。

 

政治の治水の治。

とはいえ、とにかく一歩ずつです。予算も規模が増し、対策はその都度既存の構造への変化を必要としますから時間もかかります。しかし昨夜の会合で、地元の皆さん、県、市職員、全員の方向性が漸く一つに揃い始めた手応えがありました。

大きな前進です。