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2/20 相信会総会

2/20 相信会総会

 

令和5年の相信会が始まりました。

会員の皆さまに加え、来賓として元副知事の難波喬司さんをお迎えして、ご挨拶をいただきました。

難波氏の挨拶後、今日の本題へ。

 

今日のテーマは2つ。

一つ目は、静岡市の課題と次期に向けた『改訂県都八策』について、二つ目は中央リニア新幹線についてです。

市の課題については7つ。人口転出、投資の呼び込み、教育ニーズへの対応、医師の偏在、県市連携、箱物行政の優先順位、そして政治の決断です。それぞれ私の考え方をお伝えしました。

そしてリニア問題。今日ご参加の方々の中にも、推進派もいれば、懐疑的な方もいます。

さて、リニア開通の意義とは…?

第一に移動一時間で結ばれる経済圏の拡大です。東京の人口が1,400万人、これに3県を加えた4,400万人が首都圏経済で今まではここまでが1日経済圏でした。つまり、東京へは、出張ではなく、出勤と捉えるエリアのことです。これがリニア開通後には、山梨県とは20分、長野県とも30分、大阪までも直通なら僅か1時間余り。世界にも例のない1日経済圏が誕生することになります。

そして、これが確立すれば、今よりずっと効率的な、スマートシティが沿線上に誕生するでしょうし、災害対応に追われる沿岸部サプライチェーンが中日本へと移動していく時代を迎えることになるでしょう。この後発都市は、エネルギー、環境、デジタル、省力化、無人化、防災、防犯などのあらゆる社会インフラの先端技術を効率よく組み合わせて、真っ白なキャンバスに自由な都市デザイン、製造過程のデザインを描くことができます。これは国土のイノベーションとも言うべき一大事業で、世界で唯一の取り組みになるでしょう。

そしてこの先端技術を駆使した産業の集積こそが、人口減少という日本の課題を克服する重要な要素の一つになります。人の移動のみならず、製造過程の部品の移動の省略は、飛躍的に労働生産性を高めるからです。モノを完成させるまでに、人もモノも移動しない効率的な生産過程の実現は、今までにない産業の革命になると思うのです。もはやリニアを止めることは出来ません。

 

静岡県にいると水の問題、残土置き場の問題ばかりを目にし耳にしますが、大阪、名古屋、山梨、長野の政治舞台では、もうこんな未来を見据えているかも知れません。これらの課題ももちろん大切なことですが、人よがりな反対運動はもう控えるべきでしょう。問題は、私たち静岡がこの6千万人の1日経済圏に入れるかどうか、ということです。これに乗り遅れたら、人口転出は止まりません。そういう覚悟で時代を見つめているかどうかが、政治の責任だと思うのです。

 

静岡が求めるもの。

第一に、新幹線の停車本数の増加を早急に実現すること。リニア開通の前に。

第二に、山梨県、長野県、新潟県との関係をより密接にして、生産と消費の市場を形成すること。

第三に、静岡空港を羽田、成田の代替空港として充実させ、近隣諸国への窓口として近隣県の利用客を呼び込むこと。

そして第四に、清水港の魅力を高め、中央日本の物流拠点として確立すること。

 

反対している場合ではありません。

水の問題は政治的に問い詰めるのではなく、科学的に理論での解決を専門家に任せるべきであり、政治は政治の仕事をするべきです。

次の任期を迎えたら、私は本会議でこの議論をしようと思います。